ちょっと!PREP法で具体例を書いたら全然相手に伝わらなかったよ。
そうだね。具体的な説明はSTAR法で書くと良いよ。
今回は、STAR法を紹介していきます。
STAR法とは
STAR法は、面接やプレゼンテーションで、特定の状況やタスクに対して自分がどのように行動し、どのような結果を得たかを効果的に説明するための手法です。STARは「Situation」「Task」「Action」「Result」の頭文字を取って名付けられました。
- Situation (状況): あなたが取り組んだ具体的な状況や背景を説明します。
- Task (タスク): あなたが達成しなければならなかった具体的な課題や目標を述べます。
- Action (行動): その課題や目標に対してあなたが取った具体的な行動を説明します。
- Result (結果): あなたの行動がどのような結果や影響をもたらしたかを示します。可能ならば、量的なデータや具体的な成果を示すと良いです。
STAR法は特に、職務経歴や実績をはっきりと伝える際に役立ちます。これにより、あなたの経験やスキルが具体的な状況でどのように活かされ、どのような成果を上げたかを明確に伝えることができます。
Situation: 状況
状況(Situation)の部分では、あなたが対処した具体的な背景やコンテキストを説明します。これにより、聞き手があなたの話の文脈を理解する手助けをします。状況を書く際のポイントは以下の通りです。
- 具体性: 何が起こったのか、どのような環境であったのかを具体的に述べます。
- 簡潔性: 状況の説明は簡潔にし、肝心な点に焦点を当てます。余計な詳細は避けます。
- 背景の明確化: あなたがどのような立場にいたのか、チームやプロジェクトの目的は何だったのかなど、話の背景を明確にします。
例えば、あなたがプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトの遅延問題を解決した場合を紹介します。
「先月、私は会社の新しいソフトウェア開発プロジェクトのマネージャーとして働いていました。このプロジェクトは予定より2週間遅れており、クライアントからは納期に対する懸念が寄せられていました。」
これは具体的かつ簡潔で、聞き手に状況を理解させる十分な背景情報を提供しています。
Task: タスク
タスク(Task)の部分では、あなたが解決しなければならなかった具体的な課題や、達成する必要があった目標を説明します。これは、あなたが直面した主要な責任や要件を明確にするためのものです。タスクを書く際のポイントは以下の通りです。
- 具体性: あなたが達成すべき具体的な課題や目標を明確に述べます。
- 重要性: そのタスクがプロジェクトや組織にとってどれほど重要であったかを強調します。
- クリアさ: 分かりやすく、具体的な言葉でタスクを表現し、誤解を避けます。
前に述べたソフトウェア開発プロジェクトの例を続けると、タスクの部分は次のようになるかもしれません。
「私の主なタスクは、プロジェクトを予定通りに戻すことであり、これにはプロジェクトの進捗を厳密に監視し、必要なリソースを確保し、チームのコミュニケーションを改善することが含まれていました。これは、クライアントの期待を満たし、会社の信頼性を保つために非常に重要でした。」
これは具体的でクリアな表現であり、そのタスクがどれほど重要であったかを強調しています。
Action: 行動
行動(Action)の部分では、あなたがタスクを達成するために具体的にどのような行動を取ったのかを説明します。これにより、あなたのスキルや判断力がどのように活用されたかが明確になります。行動を書く際のポイントは以下の通りです。
- 具体性: あなたが取った具体的な手順や行動を明確に説明します。
- 主体性: 自分がどのように積極的に行動したかを強調します。他の人やチームとの協力も重要ですが、あなた自身がどのように関与したかを中心に据えます。
- プロセスの明確化: 行動のプロセスを論理的かつ簡潔に説明し、その流れを示します。
以前のソフトウェア開発プロジェクトの例を続けると、行動の部分は次のようになるかもしれません。
「プロジェクトを戻すために、私はまずプロジェクトのタイムラインとリソースを再評価しました。次に、開発チームと連携して、進捗を早めるための優先順位を再設定しました。さらに、定期的なステータスミーティングを実施し、チーム内のコミュニケーションを強化しました。最後に、クライアントに対して進捗について透明性を持ってコミュニケーションを取り、期待を管理しました。」
これは具体的で主体的な行動を示し、プロセスが明確にされています。
Result: 結果
結果(Result)の部分では、あなたの行動がどのような影響や成果をもたらしたかを説明します。これは、あなたの貢献が実際に価値を生み出したことを示す重要な部分です。結果を書く際のポイントは以下の通りです。
- 具体性: 可能な限り具体的なデータや数値を使用して、成果を示します。
- ポジティブな影響: あなたの行動がプロジェクト、チーム、または組織にどのようにポジティブな影響を及ぼしたかを強調します。
- 学び: もし何らかの問題が発生した場合、それから何を学び、今後どのように改善できるかを簡潔に述べることができます。
以前のソフトウェア開発プロジェクトの例を続けると、結果の部分は次のようになるかもしれません。
「これらの取り組みのおかげで、プロジェクトは予定より1週間早く完了し、クライアントの期待を超える結果を出すことができました。これにより、クライアントは追加の契約を結ぶことを決定し、会社に新しいビジネスチャンスが生まれました。また、チームのコミュニケーションが改善され、今後のプロジェクトにおいても更なる効率化が期待できると感じています。」
これは具体的な成果を示し、あなたの行動がどのようにポジティブな影響をもたらしたかを強調しています。
おまけ: 「感じる」、「思う」を使ってもいいの?
「感じる」や「思う」などの言葉は主観的な表現であり、場合によっては使うべきではない場合もあります。
- ビジネスの文脈での客観性: ビジネスの報告や分析など、客観性が求められる文脈では、「感じる」や「思う」を使うのは避けた方が良いでしょう。これは、データや事実に基づいた情報が重視されるためです。
- 説得力: あなたが何かを説得しようとしている場合、事実やデータに基づく言葉を使用することで、あなたの主張に説得力を持たせることができます。
ただし、以下のような場合は、「感じる」や「思う」などの言葉を使うことが適切です。
- 感情や意見を表現する場合: あなたの感情や意見を率直に表現する場合、これらの言葉は適切です。人間関係やコミュニケーションで、自分の感じ方を共有することは大切です。
- 柔らかいトーン: 「感じる」や「思う」は、発言を柔らかくし、他者に対して攻撃的でないという印象を与えるのに役立ちます。これは、特にデリケートな話題や意見の相違がある場合に有効です。
結局のところ、これらの言葉を使うかどうかは、コミュニケーションの目的や文脈によって異なります。適切な判断をして言葉を選ぶことが重要です。
「思いました」より「考えました」の方が良いです。
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