72の法則って便利だけど、なんで72なんだろう?
なんでか分からないと気持ち悪いよね。
覚えなくても大丈夫だよ。
72の法則とは
72の法則(Rule of 72)とは、投資や経済成長に関連して利用される近似計算の方法です。具体的には、成長率や利率を用いて投資や資産の倍増にかかる時間をおおよそ計算するために使用されます。
72の法則の基本的な考え方は、成長率で割った72の値が、投資や資産が倍増するまでの年数(複利の場合)または期間(単利の場合)を近似的に表すというものです。具体的には以下のような式で表されます。
成長期間 ≈ 72 / 成長率
例えば、成長率が年利率5%の場合、72を5で割るとおおよそ14.4となります。したがって、この場合の投資や資産の倍増にはおよそ14.4年かかるということになります。
言い換えると、年利5%の投資商品買うと14.4年後に2倍の金融資産になるということです。
この年利5%は、全米インデックス株(S&P500)を買えば実現できるから不可能な年利ではないです。
ただし、72の法則は近似的な計算方法であり、実際の複利や利息計算とは異なる場合があります。また、成長率や利率が変動する場合には正確な計算結果とは異なることがあります。ですので、72の法則は目安として利用されることが多く、実際の投資や資産成長の計画においてはより正確な計算やシミュレーションが必要です。
なぜ72なの?
72の法則が使われる理由は、72が多くの自然対数の底であるネイピア数(e)の近似値であり、計算の簡便さから導かれたためです。自然対数の底は指数関数や複利計算など多くの数学的応用で使用される重要な数値であり、72はその近似値として便利に使われることが一般化しました。
ネイピア数って何?
ネイピア数(ネイピアすう、e)は、自然対数の底として知られる数学的な定数です。ネイピア数は、数学者であるレオナルド・オイラーが名付けたもので、その値は約2.71828と表されます。この数値は無理数であり、無限の小数部分を持ちます。
通常「e」という記号で表され、高校数学で習います。
ネイピア数は指数関数の特別な性質を持っており、多くの数学的応用や自然現象のモデリングにおいて重要な役割を果たしています。例えば、指数関数 e^x(ネイピア数を底とする指数関数)は、微分積分学や確率論、複利計算、振動現象の解析などで頻繁に登場します。
ネイピア数の特徴的な性質の一つとして、指数関数 e^x の微分した結果が元の関数と等しくなるという性質があります。この特性は多くの数学的証明や応用で利用されます。
また、ネイピア数は複素数の極指数関数(オイラーの公式)や三角関数の表現にも関連しており、数学の様々な分野で幅広く利用されています。
ネイピア数は数学の基礎的な概念であり、数学や科学の学問領域において重要な役割を果たしている数値です。
ネイピア数から72を導くには?
それでは、ネイピア数 e から 72 を導いてみましょう。
- ネイピア数 e の定義を用いて、e を約分しながら変形します。
e = 2.71828… - e を自然対数で表すことを考えます。
e = ln(e^1) と表されます。ここで、ln は自然対数(底が e の対数)を表す記号です。 - ネイピア数の指数関数と自然対数の関係を利用して変形します。
e^1 = e^(ln(e^1)) となります。指数関数と自然対数は互いに逆関数の関係にあります。 - 指数と対数の性質を利用して式を簡略化します。
e^(ln(e^1)) = e^(1 * ln(e)) となります。指数と対数の性質により、指数の中の底と対数の底が一致することから簡略化できます。 - e^(1 * ln(e)) = e^(ln(e)) = e^1 = e となります。指数関数と自然対数が相互に打ち消し合い、元のネイピア数 e に戻ります。
- 従って、e = 72 となります。
したがって、ネイピア数 e の値を用いて 72 を導くことができます。
まとめ
72の法則を覚えると、いろいろなことに応用ができます。
- 投資の成長予測: 年利率が8%の投資において、72を8で割ると約9となります。したがって、この投資によって投資額が約9年で2倍になることが予測されます。
- 借金の返済計画: 借金の利率が12%の場合、72を12で割ると約6となります。この場合、毎年借金の残高が約6年で半分になることが予測されます。
- 時間管理: あるタスクにかかる時間が72分だとした場合、72を60で割ると約1.2となります。この場合、約1時間20分でそのタスクを完了することが目安となります。
これから投資を始める方もいるかもしれません。
年利8%だと、2倍にするまで約9年かかることになります。
もっと早くお金持ちになりたいと思い、年利を10%、15%と増やせばいいと考える人もいるかもしれません。
しかし、年利10%以上の商品はポンジスキームなどの詐欺商品が多いので気をつけてください。
毎月の収入から少しずつ積み立てることで、将来の夢や目標を実現するための資金を確保できます。まずは自分の収支を見直し、支出を見直すことから始めましょう。そして、定期的な貯蓄や投資を通じて資産を増やすことが大切です。長期的な視点で資産を運用し、複利の力を活用することで、資産は着実に成長していきます。リスクやリターンをバランスよく考慮しながら、自分に合った投資戦略を築いてください。金融資産の貯め方には多くの選択肢がありますが、自分の目標に合わせた資産形成を心掛けましょう。将来の自分や家族のために、今から賢く資産を築くスタートを切りましょう。
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